安全や品質を維持する温度管理

食品や医薬品など、温度管理が必要な製品があります。製造から消費まで規定の温度に維持することで、安全性や品質を担保することができます。温度の変化はある程度の範囲を超えることで、大きく影響することがあります。例えば食材の表面にいる細菌を増殖して食中毒の原因になったり、薬剤の成分を変化させて有効性を低下させてしまうようなことです。

このような変化は目に見えて変わらないため、食べたり摂取することで初めて問題に気がつくことになります。それでは健康被害が発生して不利益を被る恐れもあります。温度管理を徹底することで、望まない変化を防ぐことが可能です。期待する状態を維持できる温度帯を確認し、その範囲を逸脱しないように調整を行います。

逸脱が起きてしまったらその時点で意味がなくなるので、できるだけ限度から離れた状態を維持することが重要です。温度の変化はダイレクトに起こるわけではないので、少しの上下を行うときにも時間を要します。その反応を考慮した上で、対応をすることが求められます。温度管理の最も重要なことは、記録に残すことです。

最初と最後の値が範囲内であってもその間で逸脱が起きたら安全は担保できません。そのため医薬品のように徹底した管理が求まられるものは、一定間隔でできるだけリアルタイムに近い記録が求められます。その記録は品質保証の証拠として使われるため、なにか問題が発生したときの根拠として利用可能です。