湿度計の構造とはセンサーについて
湿度計は空気中の水分に反応することで形状が変化する、金属をセンサーに用いてる製品が一般的です。正確には金属に貼りつけられた感湿剤が水分を吸い、それに合わせて金属が形状を変えてアナログの針を動かす仕組みです。デジタルタイプの湿度計もセンサーに感湿剤を用いる点は共通ですが、物理的な形状の変化ではなく、電流の流れやすさの変化を見て湿度を計測するのが大きく異なるところです。古くは人間の髪の毛が湿度計のセンサーに用いられており、やはり湿気を吸って変化する性質を活用していることは同じです。
感湿剤は繰り返し使えることが前提とされていますが、短期間に急激な湿度の変化を繰り返すと、加速的に劣化したり信頼性が低下することになり得るので注意が必要です。センサーがアナログタイプの湿度計は、移動すると数値が安定するまでに数時間を要するので、頻繁に移動して計測する用途には不向きです。安定する速さはデジタルタイプの方に軍配が上がりますし、移動して数分後には安定しますが、肝心の湿度の測定精度はアナログタイプに譲ります。アナログ湿度計の誤差は一般的にプラスマイナス2%程度、デジタルは5%くらいといわれているので、センサーの精度を求めるならアナログが優位です。
しかしアナログは針の軸がズレるという別の問題がありますから、一概にどちらが優れているか断言するのは困難です。校正の対応の有無も関係しますし、出荷前に全数検査が行われている製品であれば、デジタルでもアナログ以上に信頼性が高いといえます。